【備えあれば憂いなし?】『王家の紋章』円盤鑑賞
わたくしの推し、海宝直人さんが来夏『王家の紋章』メンフィス役にて、
帝劇初主演することが決定しました。
【再々演決定!!】ミュージカル『王家の紋章』が古代の眠りより目覚め、皆様のもとへ戻ってきます!メンフィス(Wキャスト)浦井健治・海宝直人、キャロル(Wキャスト)神田沙也加・木下晴香、2021年8月帝国劇場・9月博多座にて https://t.co/GcLdcu8d3Q #王家の紋章 pic.twitter.com/6gtoyR573C
— ミュージカル『王家の紋章』公式 (@ouke_musical) 2020年6月12日
未見なので予習も兼ねてDVDで鑑賞しました。
しかしながら、なぜこの作品なんだろう?
原作は漫画といえども浦井さんのために作られたような作品だと思うので、海宝さんがメンフィスを演じている想像が出来ない。役柄も、コスチューム物の衣裳も、殺陣も、何もかも。そういう意味では楽しみではあるけれど、引っかかる。
何が引っかかったかというと、ストーリー。これに尽きる。
1幕では、ストーリーのエッセンスに使われたミタムン。兄弟がいる人はこの場面でイズミルに共感を覚えるのか?たとえ原作に忠実であったとしても、ミュージカルという限られた時間の中で必要なのか疑問しか湧かない。あゆっちの美しい腹筋だけが救いです。
イズミルも1幕ではとにかく影が薄いし、恋敵としても弱いような気がする。イズミルよりもルカのが目立っている。矢田くんかっこいいし。
めぐさんのアイシスは、ただいるだけで圧倒的なオーラと、説得力のある美しさ。しかし、悪役にしては微妙な立ち位置。最後いったいどうなったのかよくわからなかった。メンフィスと対立しているのかしていないの。何がしたいのかよくわからないまま終わった。
再々演では続投なのか別の方がやるのか気になるところ。
キャロルはよくいる見た目も目を引くかわいさと学があり芯の通ったヒロインという感じで、彼女の魅力にひかれていくメンフィスはまあわかる。自分の思う通りにいかない、言い方悪いけれど手に入りにくい女性に惹かれることってよくあるだろうし。
でも、キャロルがメンフィスに惹かれる「瞬間」って果たしてどこにあったのだろう。
歌で表現されていましたっけ?見逃したのかな?そこがまったく伝わってこなかった。
後は、キャロルが伊礼さん演じる兄(名前忘れた)の気持ちを完全に無視して、古代で生きていく発言にはひっくり返りそうになった、というかひっくり返った。
漫画の一部を切り取って短い時間の中で組み立てた作品だろうから、もしかしたら展開を端折りすぎてこうなったのかな。原作も読めば補完できるのかな。でも、客が原作を読んでいる(もしくは読む)前提であってほしくはないのですが。
とにかく登場人物誰にも共感できない。壮大な作品を楽しむには良いのかもしれないけれど。
来年どうなるのかドキドキしながら待ちます。
【雑談】払い戻しになったチケットたち~また会う日まで~
憎きコロナ渦。
劇場での公演も次々に中止となり、わたしの手持ちチケットもすべて払い戻しになりました。
成仏のために書いておきます。いつかまた観れる日が訪れることを願って…
3/8 昼 宝塚星組「眩耀の谷~舞い降りた新星~/Ray~星の光線~」
まだそんなに脅威に思っていなかったので、東京でリベンジしようと4/29で取り直していましたが、結局ダメだった。お披露目公演観たかったなあ。
3/15M 「アナスタシア」
日本初演で海宝さんのディミトリ。すっごく楽しみにしていた作品。しかも最前列でした。
こんな席もらえることなんてこの先もう二度とないと思うから悔しさと悲しさでいっぱいだった。
座席はともかく、いつか絶対に再演してほしい。
3/15S 「サンセット大通り」
SOMLを観てすぐ取ったチケット。アナスタシアとマチソワの予定でした。
元基くんのスーツ姿がめちゃ刺さると聞いて、すっごく楽しみにしていた。
ストーリも好みだったし残念過ぎる。友達に舞台写真もらいました。それだけが癒し。
4/15S 「リトルショップオブホラーズ」
テニミュで三浦宏規くんいいなあと思って取ったチケット。
早々に中止が決まったうえにプレイガイド経由だったから返金もめちゃくちゃ早くて、なんともあっけないというか、ここまでくるとあきらめモードだった。オンラインショップでアクスタ買いました。ミーモアかわいい。
友達に頼まれて取っていた分。いつも頼ってくれるし、頑張ってチケ取りしたから無念。
来年?だか今年だかまたツアーやるらしいのでこれはリベンジしたい。
7/5M 「ブルーレイン」
吉野さんの主演作。韓ミュでしかもハコのサイズ感も好みで、今年はこういう作品いろいろ観たいなと思って取ったチケット。公演中止ではなくて全席キャンセルからの再販なので、観に行こうと思えば行けるのかもしれないけれど、仕事柄NGなので断念。フェイスシールド貸し出しますって書いてあったけれど、客席どんな光景になるのかそちらのが気になる。
8/1 M 「4月は君の嘘」
木村達成くん目当てで取っていたチケット。ワイルドホーン氏の曲聴けないままお蔵入りしないよね? ぜひ再演願っています。
8/2M 「ミス・サイゴン」@富山
伊礼さん×海宝さんの組み合わせで見たくて富山遠征企てていたのに。
まさか夏の公演にまで影響を及ぼすとはみじんも思っていなかった。クリスの歌唱、コンサートで聴けたのは奇跡だったのかな…出演者のスケジュール繰り大変だと思うけれど、ぜひ再演してほしい。重くて苦しいけれど、美しい曲に浄化されるスルメ作品。(グランドミュージカルにスルメなんて言ったら怒られるかも)あと、日にち忘れたけど名古屋も行く予定でした。無念。
きっと、もっとたくさんのチケットを持っていて、もっとたくさんの払い戻しをして、悲しい思いをした人もいるんだろうな。わたしが所持していたたったこれだけのチケットも、ひとつひとつ思いがあって取ったチケットで、どれも指折り楽しみにしていた。
はやく元の生活に戻れる日が来るといいな。それまで自分に出来ることをして過ごしていきます。
その話はまた今度書けたらいいな。
【2020/2/15M】テニスの王子様3rdシーズン全国大会青学vs立海後編
念願の後半観劇!当初予定してた公演行けなくなって前楽が最初で最後の観劇になってしまった。
開演前アナウンスが真田でウルウル。
終始、立海の姿に涙が止まらなかった。圧倒的なオーラと強さ。どうしてあんなにかっこいいんだろう。絶対に負けられない、勝つんだという強い思い、みんなが背負っているものをひしひしと感じた。試合終わった瞬間涙止まらなかった。ミュージカル観ていたというよりも、間違いなく全国大会決勝の最終試合を見ていた。
ライバルズのみんなも良かった。三浦宏規君は跡部様のために生まれてきたような方ですね。ブリザードのかっこよさにすっかり魅了されて、休憩中に物販走って写真買いました。日吉の内海君もすっごくよかった。コサックダンスかわいかった笑
テニミュに出会うのが遅すぎて、こうしてあっという間に3rdシーズンが終わってしまったわけだけれど、今まで眼中になかった2.5次元の世界の奥深さとか面白さに気づけたことが本当にうれしい。そして、間違いなく自分のオタ人生を大きく変える作品になった。
コロナのさなか、ドリライも中止でみんなの姿をこれ以降見ることができなかったけれど、こうしてTDCまで行って観劇できたことは幸せだし、次のシーズンはしっかり最初から見届けていきたい。
テニミュを通じて知れた俳優さんたちのこともこれからも応援していくつもりだし、ほかの舞台にもどんどん出てきてほしいなと思う。若い男性の俳優さんたちがこんなにいるって日本のミュージカル界の未来は明るいなって思った。
いま、演劇の灯りをなんとかって言われているけれど、一観客としてできることをしていかなくてはと正義感ぶって考えたりする今日この頃。
【2019/12/7S】ロカビリー☆ジャック@頭に残るのはゲロッパ~なんだかすげえ~
(下書き状態で眠っていた記事をあげていきます。)
ロカビリージャック観てきました。
うーん、楽しい作品だけれど好みじゃなかったです。ごめんなさい。
裁判のシーンすごく長くて、だんだん飽きてきてしまった。あの場面が最初似出来て、そこに持っていくためにいろいろ組み立てたのかな~(主観です。)
なんとなくG&Dの深夜ミサの場面思い出しました。
一言でいうならば、海宝直人さんの新境地?開拓を存分に堪能する作品。
歌唱力はもちろんのこと、変顔?やらすっ転ぶ姿など、終始これまでに見たことのない海宝さんが詰まっているという感じでした。
が、ストーリーは正直かなり苦手な部類。
過去作からのオマージュなど分からない部分については大多数が笑っているなか、ポカンとなってしまった。そして、笑って良いのか戸惑う場面もあったように感じた。なにも考えずに楽しめる作品がウケてリピーターも多いのかもしれないけれど、わたしは神経質で敏感すぎるのかもしれないけれど別の意味で考え込んでしまった。
しかし、間違いなく海宝さんのことはますます好きになれた作品ではあります。斉藤和義さんの曲はとても耳馴染みが良くてどれも素晴らしかったので、音源発売して欲しかった。他の出演者の方も皆さんとても良かった!屋良さんも初めて拝見したけれど、歌良しダンス良しで、ジャニーズの方と聞いてどんな感じなのかなってドキドキしていたけれど、良い意味のドキドキに変わりました。
ヒロインの昆ちゃんも、エポニーヌやMAのマルグリットやキムなど辛い運命を辿る役を拝見することが多かったけれど、可愛いアイドル役素敵でした。変身前の姿は笑って良いのか戸惑いましたけど…
悪魔の吉野さん。結局終わった後に頭に残っていたのはゲロッパ。なんだかだかだかだかだかすげえ~って歌詞がすげえ。(語彙力)
クリエってそんなに大きな劇場ではないうえに比較的前方で観れたので何もかもが衝撃だった。良い意味での出オチ。個人的には、田舎の劇団員(だっけ?)ではなくて、本物の悪魔であって欲しかったな〜と言うのが正直なところ。
平野綾さん&青柳さんもお気に入り。アメコミみたいな感じのどこか憎めない悪役コンビが大好きでした。平野さんと海宝さんのイチャコラ(言い方)も微笑ましかった〜!!
最後突然クリスマスになって、あれクリスマスの話だったっけ?とポカンとさせられたけれど、耳馴染みの良い曲に助けられた作品という感じでした。急な代役登板もあったようですが、みなさんで千秋楽迎えられて何よりです。平和な2019年観劇納めでした。
【2020/2/16昼】赤と黒@御園座
『赤と黒』観てきました。
なんでこの演目選んだんだろう?御園座が赤を基調としているから?笑
アルジェもそうなんだけれど、今の時代に観るとどうにも古い。赤と黒は原作がそもそも古典だから仕方ないんだけれど、こういう男役像が初演当時のトレンドだったんだろうなあって思う。アルジェは好きなんだけれどな…ジュリアンの強さの中にある繊細さとか儚さが美しかった。ラストシーン衝撃だったけれど、男役の美学を感じる作品だと思う。
赤と黒は、珠城さんの持ち前の情熱的な要素と、ジュリアンの思うがままに生きる熱量や真っ直ぐさが良くも悪くも合わさりすぎて前面に押し出されすぎているように感じた。
ジュリアンの独り言だか心の声は何なのだろう。手を払われた!この鐘が鳴り終わる前に手を握ってやる!とか、笑うところなのか真面目な場面なのか、よく分からなかった。
全体的にそういう場面が多くて、2幕でジュリアンに殺されそうになったマチルドが喜ぶ場面、はあ?ってなった。(ごめんなさい)
何よりも、主役以外出番少なすぎでは?レナール夫人の美園さんですら、2幕半分くらい出てこないし、月城さんはフーケも公爵もカッコ良かったけれど、もっと見応えのある役でみたかった。
2幕全く出てこないけれど、輝月さんのレナールは舞台上に1人のシーンもあるし、もしかしたらいちばん美味しい役なのでは?と思う。
あとはヴァルノの華蘭さん。大好きな方なので贔屓目もあるかもしれないけれど、一応悪役枠?ですかね。存在感あって良かった。
きよらさんの顎つかむとこ、悪すぎて震えた。きよらさんはお名前は知っていて初めて観たけれど、ただ出てきて引っ込むだけの場面でも存在感あるし、先が楽しみな方ですね。
新たに追加されたらしいフィナーレも良かったなあ。美園さん筆頭の娘役の群舞も良かったし、輝月さん中心のナンバーも良かった。リフトも、拍手したくなるダイナミックさと美しさ。男役のナンバーも良かった。月城さんのオールバックからの色気が素晴らしくて惚れ惚れしました。珍しく客席降りもあり、贅沢すぎるフィナーレでした。
個人的には好みの作品ではないですが、芝居心のある方が多くて見応えありました。
【2019/11/23S】ノートルダムの鐘@フレデリックに救いはあったのか
京都へ行ってきました。
夏に観て以来だったので、3か月ぶりくらいかな?塚田さんのフレデリックを観ることができて良かったと思えた日。
わたしのなかでは、フレデリックと言えば寺元さんという感じでした。彼のフレデリックに対するアプローチが好きで、それに比べると塚田さんは少し淡白というか冷静すぎるというか、名古屋の初期の頃はそんな気がしていたのだけれど、この日は正義感と懐疑心と闘っているように感じ、観ていてグッとくる場面も多かった。
特に2幕後半、牢獄でのフィーバーとの会話。フロローと対峙するところ。声裏返りかけながら叫ぶところ。民衆に「パリの人々よ」と語りかけるフィーバスを振り返る表情。フレデリックの心の動きが見えて、だからこそなのか、ラストの塚田さんの墨塗る姿で、涙が止まらなくなってしまった。
今思い出しても心がギュッとなる。いつものことながら、フレデリックはこの物語の後どうなってしまったんだろうと思う。深く考察するつもりはないけれど、未来のこと考えてしまう。
なかなか頻繁に観ることは難しいけれど、観るたびに発見もあるし、今回のように塚田さんの名古屋よりさらに深く掘り下げられた(と感じた)フレデリックを観ることができたし、改めて良い作品だなあと思った。
福岡かあ…行けるといいな。
(6/20追記:福岡も結局観れずじまい…来年の東京凱旋を待ちます。海外で再演されば観に行きたい。個人的にドイツならハードル低いので)
【2019/10/29S】ストーリー・オブ・マイ・ライフ@大千穐楽~3本の指に入る最高のミュージカルに出会った~
前日の夜に急遽思い立ってチケット買って観てきた。即完で人気の大型作品が良しとされているのかもしれないけれど、こうやって思い立った時にチケットが買える環境ってとてもありがたい。
☆
大千穐楽の役替わりは元基トーマス×万里生アルヴィン。本人のキャラクターから察するに、万里生トーマス、元基アルヴィンのが似合ってそうかなあと思っていた。でも、ソワレの組み合わせも素晴らしくて、こちらで観れて結果的に良かった!!!
万里生さんはわたしの中で貴公子のイメージしかなかったのを良い意味でぶち壊してくれた。こんな演技も出来るんだという驚き。目の前にいたのは天使のようなアルヴィンそのもの。無邪気に言葉を発し、笑い、駆け回る。彼はずっと変わらない彼のまま。汗を拭く姿でさえも可愛らしくて、目が離せなかった。雪の中の天使、好きな曲だなあ。
予習はほぼなしの状態で観たので、トーマスと一緒にアルヴィンの死の真実を探る物語なのだと思っていた。でも途中で、これはトーマスの物語なのだと気付かされた。
アルヴィンがまっすぐで無邪気であればあるほど、トーマスの姿が痛々しい。出会ったばかりの頃、一緒に仮装をして遊んでいたのに、大学を出て、仕事で成功を収めて、愛する人と出会い、たくさんのものを得る代わりに大切な何かを忘れて、失っていく感覚。アルヴィンに辛く当たる姿を見ていて辛い。自分にもこういう場面、思い当たるような気がして。
元基トーマス。全てがツボで刺さりまくった。少し神経質で、周りと違うことを恐れて、普通の人生を生きようとした人。トーマスが少しずつ大人になっていき、取り巻く環境や心境が変わるにつれ、いつまでも小さな街の本屋で変わらないまま生きていくアルヴィンと距離を置こうとする。それは拒絶というよりもトーマスにとってアルヴィンが眩しすぎて、避けていたような感じがした。
トーマスがアルヴィンの死の真相を知ろうとする時、アルヴィンがトーマスに向けて言う、その場にいなかったからその物語はここにない、みたいなセリフ。
初見で予習していなかったからこそ、それを聞いた瞬間ハッとさせられた。弔辞を書くために必要だったのは、トーマスとアルヴィンの物語。弔辞を「読む」のではなく、物語を「語って」欲しかった。アルヴィンの父の弔辞のくだり、何度かリプライズありますが、アルヴィンの「これだけ?」の言い方が悲しくてひんやりと冷たくて、
いろんな解釈が出来る余白のある作品だから、きっとわたしとは違う感想を抱く人ももちろんいるだろうし、わたしの感じたことは意図と違う的外れかもしれないけれど、わたしにとってはトーマスの物語だった。そう考えると、ポスタービジュアルのキャッチコピーがストンと入ってくる。
すっごく良い作品に出会えた。間違いなく2019年で一番刺さった作品。
この舞台を観たこの衝撃をいつまでも忘れたくない。