Ich gehör nur mir!

好きな舞台を好きなだけ。わたしの観劇ライフはわたしだけのもの!

【2019/2/17】イヴ・サンローラン@荻田先生のつくる繊細で美しい世界

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海宝さんのイヴ観てきました!上原さんピエール、大山さんディオール

 

合う人合わない人さまざまのようですが、わたしは好き!荻田先生の世界観が元々好きなので。(もっとメインの登場人物の心理描写を深く知りたかったのはあるけれど。) 美しい世界でした。

 

海宝イヴがほんとに素晴らしかった。

わたしはイヴの第一声「やあ、ピエール」っていうたったこれだけのセリフを聞いて鳥肌止まらなかった。海宝イヴの全てに強烈に惹きつけられた。

 

宝塚っぽいと言われているのがよくわかる。冒頭、ピエール(ヒロイン?2番手?)が出てきて語り始める。そしてイヴ(トップ)が登場して物語が始まる。時間軸が一気に巻き戻る。ラストもヤンさん(シャネルとして?お母さんだっけ?)語りが入って、主役の2人が舞台上に。イヴとピエールが手をつないだ時には、このまま主題歌歌いながら銀橋渡り出すやつ!と思ったくらい笑

 

構成自体も時間軸が行ったり来たり、同じフレーズが何度も登場したり、それぞれの登場人物同士は会話しているというよりも独白しているような場面が多くて、???ってなることもあったけれど、ドキュメンタリー映画を見ているような感覚に近いかも。次々に場面が切り替わっていく。いろんな人たちの話がわざとバラバラに切り貼りされているような。でもきちんと一本につながっている。

映画を見たり、事前に色々と調べたりという予習しなかったのがかえって良かった気がする。

 

海宝さんのイヴは最初に書いた通り、第一声から惹きつけられた。歌もあり、踊りもあり、リフトもされ、ラブシーンもあり、見所たくさん。あっちこっちでピエールと仲良くおしゃべりしてる姿を見ているだけで微笑ましい気持ちになる。

才能という衣をまとい強がりながらも、見た目も中身も繊細で、壊れてしまいそう。守ってあげたくなる存在。なのにピエールから離れていこうとする、線が細いからどこかへ飛んで行ってしまいそう。

ピエールとの関係が少しずつ変わり始めた頃、ピエールからするりと抜けて話をそらす感じが、自分が振られたみたいで辛かった笑 

今回イヴを観て改めて、舞台出演を重ねる度にどんどん進化を遂げていく海宝さんから目が離せないなと思った。

レミゼもますます楽しみな気持ちになったし、今年の後半は12月の舞台は発表になっているけれど、それ以外もどんな作品に出てどんな姿をファンに見せてくれるのか気になる。

 

上原さんのピエール。数日だけの出演がもったいない!ご本人を情熱の赤のイメージだと思っているのですが、イヴとの出会いのシーンはまさに赤一色という感じ。ピエールはイヴのことが好きで好きでたまらないんだろうなあ。いつも笑顔で彼に尽くし、彼を愛し、彼のために生きているような人。裏切られてからもお互いに離れられない。ピエールはどんな気持ちだったのかな、考えるだけで辛い。イヴとピエールのデュエットが本当に素晴らしくて、この組み合わせで映像に残るならDVD欲しいなあと思っている。

 

あと忘れてはならない、特筆すべきはヤンさん!安寿ミラさんはさすが元トップ、立ち姿だけで存在感がものすごい。ダンサーなだけあって動きやポーズひとつひとつの魅せ方がとっても素敵。気づいたら目で追ってしまっていた。ヅカ時代は映像でしか知らなかったので、今回みれてよかった。

 

ディオールの大山さんもコミカルな役(であってるのかな)で良かったし、彼がピエールになったらまた雰囲気違うだろうな。包容力がかなりありそうな感じがするので。川原さんも観てみたかった。(プログラム見る限りはとても美しくてかっこよくて!)

 

観終わったすぐはそうでもなかったのに、後から色々な感情が溢れてきたり、切なくなったら、考えたりしてしまうスルメミュージカルでした。ほんとは何回も観て、イヴも東山さんでも観てそれぞれ比べてみたらもっと楽しめるんだろうなあ。しばらくは余韻に浸りたい気分です。

 

【2019/1/27】パリのアメリカ人@わたしはアンリにキュンとくる

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劇団四季の新作ミュージカル、パリのアメリカ人を観てきました!!

ガーシュウィンの楽曲と美しいセット&演出効果、素晴らしいダンスナンバーの数々。新作を観るという高揚感もあり、とても楽しかった!!!

 

昔、ジーン・ケリーにハマっていたので、映画版「巴里のアメリカ人」も見たことあるのですが、ところどころ異なる部分もあり、映画は映画、ミュージカルはミュージカルで楽しい要素が詰まっているなって思う。映画版は、古いのもあるけれど、小粋な感じとか、街の息遣いとか、クラシカルな雰囲気が好き。

舞台版はスタイリッシュ。振り付けもなんていうか斬新なものが多い気がして、(男性同士のリフトなんかも面白い!)、最新の投影技術を使って美しい世界観を表現しており、とにかく新しさを感じるのに、どこかノスタルジックでもあり。絵画的という感想を耳にしたけれど、まさに美術館で素晴らしい作品を見た時のような感覚に似ていると思う。

1幕ではデッサン風背景が多かったけれど、2幕ラストの最新バレエのシーンではキャッチーでモダンなセットになったりと、クルクルと場面転換するので目が離せない部分も多い!

 

ダンスシーンはどれも素敵なんだけれど、個人的にはギャラリーラファイエットのシーンとラストの幻想シーンが好き。どちらも登場人物の感情の高まりの表現が素晴らしい。ジェリーがダンサー志望の役だったらそれはただの登場人物たちのダンスシーンになってしまうのだけれど、そうでない所が「これぞミュージカル」って感じで好き。制作発表で2人が着ていた衣裳を見た瞬間、鳥肌だった。現実世界からゆっくりとでもはっきりと変化する様子に引き込まれる。

歌も少ないし、説明台詞がないと中身が理解できない人には向かないかもしれないけれど、私はとても好き。CFYを観たくなる!って声もとっても分かるけれど、それ以上に「コンタクト」が観たくなった!ブルードレスの抑圧された感情があふれ出すダンス、あの感覚に近いかも。

 

ストーリーについては、戦後の暗い時代にそれぞれ葛藤を抱えながら必死に生きている若者たち。自分たちの生き方や進むべき道を見つけて目覚めていく姿にはプログラムに書いてあった「人間賛歌」という言葉がぴったり当てはまる。特にアンリがキャバレーでパフォーマンスをするシーン、アダムが「人気者だよ!」と才能を認められるシーンが好きだなあ。ストーリーの中でどうしても納得のいかないことが個人的にはあるのだけれど笑

わたしはアンリにキュンときました。小林唯さんのアンリとても良かった。アンリのラストシーン、なんて素敵なのか!!わたしならアンリを選ぶ!笑

セリフのテンポ感とかシーン毎のと声のトーンがとても良くて特にボーレル一家とのシーンでは彼らの雰囲気がよく伝わってきて、クスリとしたりほっこりさせられたり。

スーツ姿もカッコ良いし、アンリの育ちの良さゆえのまっすぐさとリズに対する葛藤と殻を破った瞬間!素晴らしかった。頭のなかでずっと流れているのは、♪I’ll build a stairway to paradise♪ この場面だけもっかい観たいくらい笑 

 

ストーリーを考察したりする演目ではないけれど、分かりやすい内容だから純粋な気持ちで楽しめるし、ダンスシーンも見応えある。登場人物の心情の変化も見ていて共感できる部分もあり。いろんなキャストで見比べてみたいな〜と思う作品でした!!

出来れば小林唯さんのアンリをもっかい観たい!笑

【2019/1/14】ノートルダムの鐘

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2019年初のノートルダムの鐘。

光田さんのフィーバスが初見でした。背が高いので群衆のなかでも目立つし、♪パリの人々よ~♪の時には上手のバルコニー?からかなり身を乗り出して存在感抜群。そして、小柄なエスメラルダを包み込む包容力素晴らしい。

声は清水さんよりも若干高めかな。ラウルやっているのが納得の甘めボイスでした。(フィーバスの3人は持ち味がそれぞれ違うからこそ、それぞれ魅力に溢れていてわたしはどのフィーバスも好きだよ!って状態です)

 

そして、前回に引き続き川口さんのフロロー。レミゼのお稽古の兼ね合いでおそらく名古屋で観られるのは最後のタイミングだったと思うので観れて良かった。他のどのフロローとも違う激情型のアウトローなフロロー。

セリフの言い方一つとっても他のフロローとは全然違って、最後までビクッとなったけれど(なら、フィーバスはどうだ!あたりでめちゃキレ出すので)、彼もまた愛されることを知らない哀しい人だったのだと川口さんのフロローを見て思わされたのでした。エスメラルダに本能的に惹かれているような演技はとても好き。エスメラルダのことが頭から離れない様子、不意に彼女に触れようとすること、焦点の合わない様な目つき。処刑後は笑ってましたもん、怖すぎる。

川口さんはレミゼでも観れるのでこれもまた楽しみです。

 

ノートルダムの鐘を観ると、オペラ座の怪人と色々重なるのですが。どうしたらフロローは救われたのだろうかって考えちゃいます。みんなそれぞれ日々生きていくことに必死だって時代だから、あんな最期になってしまったのかも。みんなに救いがあってほしいと思えてならないけれど、哀しいラストだからこそ、Somedayの歌詞がとても胸に響いてくるような気がする。

 

そして、高舛さん。今日が祝日の月曜日でキャス変出ていて。休演日あけは中橋さんに交代だったので、目に焼き付けてきました。どの瞬間も見逃したくない、細かい演技が本当に好き。ガーゴイルの声は青年らしいのに、奇跡御殿ではしゃがれ声だし、アフロディジアス様は老人ボイス?だったり。

細かな表情まで役作りが素晴らしくて、本当に多彩な演技が魅力的な方です。

 

今年もゆるりと観劇出来たら良いな。

【2019/1/5】海宝直人 IN CONCERT大阪〜musical live〜

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2019年最初は海宝さんのコンサート!

ミュージカルライブという副題がついていることに会場で気づきました笑

海宝さんらしいセットリスト、曲の合間のゆるいMC、ラストは客席降りまで!!盛りだくさんで大満足でした。

 

(日がかなり経っていますが、備忘録として残しておきます。)

 

1.Heaven on Their Minds

あのオーバーチュアからのスタートで、一瞬JCS観にきたんだっけ?と錯覚するくらいグッと世界観に引き込まれた。海宝さんのオーラが眩しすぎて、圧に押しつぶされそうだなって思った。サイドだったけれど前方の通路側でちょうど目線が来やすい席だったのでのっけからやられた。バンドメンバーとのアイコンタクトも楽しそう。

 

2.Till I hear your sing

これは日生劇場のLNDの宣伝ですかね笑

日本語歌唱だったのでちょっとビックリ笑 前奏の間にその曲の世界に入るのが上手い方。ファントム役はやっていないわけだけれど、年齢を重ねていつか観てみたい。今回のコンサートは全体的にそう感じる曲が多かったかも。

 

3.Waving Through a Window

昨年のZepp Nagoyaのライブで聴いて大好きになった曲。いつか日本でやってほしいし、来日公演でも良いからやってくれないかなっと思っている。わたしはこの曲を聴いた時に、海宝さんが常にアンテナ張って国内外いろんな作品に触れていると感じたので、自分の観劇スタイルもそうありたいと思う!

 

4.The Phantom of the Opera

ポーランドでのコンサートの話になり、海宝さん曰く一発芸(笑)のラストのクリスの超高音をやってくれました。最初はファントムパートを歌っていたのですが、バイオリンの方へ送る挑発的な視線がたまらなくカッコ良かった!高音はさすがの一言です。

ポーランドの方も度胆を抜かれたことでしょう。某動画サイトに一瞬だけUPされていたらしいですが見た人~?って聞いちゃう海宝さんも、はーいって答えちゃう客席もゆるい笑

 

5.Tango Milonga

ポーランド語歌唱、かなり苦労したそうですがそれだけあって素晴らしい歌声でした。ちょっと声に深みが出る感じを聴けて、ポーランド語様々です。

 

6.You Raise Me Up

こちらもポーランドで歌った曲ということで。まさか生で聴ける日が来るとは思わず階大感動。

数えきれないくらい多くの方がカバーしている曲ですが個人的にはOedo Kuipersのカバーがかなり好きでして(ぜひ聴いてみてほしいです)、まっすぐで美しい声の青年が歌うのも良いなあと思ったのですが、海宝さんの歌うYou raise Me Upも同様に澄んだ歌声が美しく響き渡り、思わず涙しそうになった。

 

7.愛の讃歌

志村幸美さんが歌う35ステップスのCDを聴いたのが、この曲との出会いだったのだとか。自分が子役でチップのとき志村さんがポット夫人で〜と子役時代のお話もチラリと。あの!キラキラの衣装のお話もここで出てきました。ニコニコしながらお話しする海宝さんがたまらなく可愛い。

愛の讃歌って、少し前に中井さんのコンサートでも聴いたのですが、歌う人によって全く違う印象を受ける曲だと改めて思った。海宝さんも今の年齢で歌える?愛の讃歌を歌いたいというようなことを言ってらしたけど、例えば10年後、20年後にも聴きたい。

 

8.On My Own

海宝さんが歌う女性のナンバー大好きです。男性が歌うからより一層切なさが増すというか。岡さんみたいに女性の曲だけを歌ったアルバム出してほしいな。

マリウスの曲はレミゼ観に来て聴いてねってことで、エポニーヌのナンバーを歌ってくれました。カジモドを演じたことで、報われない気持ちを感じてエポニーヌの想いも分かるようになった(意訳)そうで、カジモドは大きな影響を与えた役なのだなと改めて思う。

マリウスについてのお話も少しありました。エポニーヌのこと見てあげて!って思われがちな役だけれど、等身大のあの当時を生きた普通の青年って感じで私は好きです。エイドリアンではないそうで、少し雰囲気変わるかも?レミゼが俄然楽しみ。

 

9.I’m here

カラーパープル自体は知っていたけれど、未見でしかもはじめて曲も聴いた。後からあらすじを調べたらとても興味が湧いたので映画見てみる予定。これは何で聴いて歌いたいと思ったっておっしゃってましたっけ。

 

9.Aladdin Melody

今、ブログを書きながら気づいたけれど、9が2回ある!笑

ここからが第2部で蝶ネクタイの衣装にチェンジ。アラジンのアレンジがなかなかカッコ良くてぐっと引き込まれる。海宝さんのアルは未見ですけれど、表情の作り方とか歌い方が茶目っ気たっぷりでアルの姿が目に浮かぶ!アラジンという作品自体にはあんまり惹かれないので1回しか観たことないけれど、いつかまた海宝さん出たら突発したい。

 

10.Santa Fe

ニュージーズ来日公演とかないかしらってくらい今観たいミュージカルのひとつ。

このあたりで、ソロアルバムのタイトルについての話があったんだったかな。東京でも言っていた通り、主人公が現状打破?してこうありたいと歌うI want songやI wish songを入れたっていう話。

 

11.So Close

ずっと聴きたかったこの曲!!やっと生で聴くことが出来ました。「魔法にかけられて」は大好きた映画だし、やっぱりこの曲がいちばん好き。美しいシーンでもあるし(なんか美女と野獣ぽいよね?)、海宝さんのやわらかい歌声が切なさ増し増しで、うっかり泣きそうになった。だいもん(望海風斗さん)バージョンも好きだけど、海宝さんバージョンも最高!CDは日本語かな?これは日本語で聴きたい!

 

12.Out There

海宝さんのカジモド未見ですけれど、このあいだのグレコンでMade of Stoneも聴いたし、完全に観た気になってます笑 どの曲もそうだけれどなんでこんなにスッと曲の世界に入っていくのだろう。そればかり思った。同じ人が歌っているのにどの曲も全く違う表現で、振り幅の大きさをひしひしと感じる。

 

13.Someday

この曲も後に自分はすごい怖い曲(Made of Stone)歌うんですけどって言ってましたが、いつも袖で聴いてらっしゃったようですね。やはり女性の曲を歌う海宝さん素敵です。どのミュージカルにもあるけれど「祈り」の曲。大好きです。

 

14.Sheridan Square

これは初めて聴きました。アラン・メンケン氏とハワード・アッシュマン氏の説明もちゃんとしてくれました。

座りながら切なげに歌う海宝さんの後ろにはセピア色のシェリダンスクエアが見えた気がした。これはコンサート後にダウンロードしました。良い曲だし、海宝さんみたいに歌詞をちゃんとひも解いて何度も聴きたい。

 

15.Cry for me

16.December 1963

ジャージーボーイズって去年だったんだ!もっと前のような気がしてしまう。

 前奏が流れた瞬間から表情がぱっと明るくなるのがかわいい。わたし結局JB観れずに終わってしまったけれど、なんとなくボブ・ゴーディオの姿が見えた気がした。

ラストは「立ちましょうか」ということでスタンディングでライブ感。早くCD出て欲しいなあ。客席降りがあって、通路側の席だったので本当に目と鼻の先を海宝さんが通って行かれて、圧倒的なオーラで記憶が全て吹っ飛ぶところでした。(下手側だったので階段下りてこられてすぐすぎたためハイタッチはできず…上手側はしてたなあうらやましい)

 

EC1.Gethsemane

JBのスタンディングの勢いのままでゲツセマネ。空気が一変してエルサレムの荒野が見えるのがすごい。がっつりお芝居でも観てみたいなあ。

初めて聴いた時は本当に衝撃でしかなかったこのナンバーですが、聴くたびにいつか本当にジーザスやるんだろうなと現実味を帯びてくる。コンサートはとりあえずご出演かしら。

 

EC2.Bring him home

将来必ず観てみたい役。いつかきっとやるよね?やるだろうと思います。

愛の讃歌もそうだけれど、今この年齢の海宝さんが歌うBHHを聴けたことは自分にとっても宝物のような感覚。しかも最後がこの曲で良かった~!わたしの大好きなMark SeibertのアルバムにもBHHが入っているのですが、彼も若いながらこの曲をきっと彼の解釈で歌っていて、それがまたすごく魅力的なのです。海宝さんのミュージカルアルバムも切実に出してほしい。

 

 1年の初めに海宝さんのコンサートを観ることが出来て良かった!単発のコンサートやゲスト出演ものはなかなか観に行けないけれど、今年もゆるゆると出演舞台を観ていきたい。次はイヴサンローランかな、楽しみ。

 

【2018/12/23】ノートルダムの鐘@川口フロローは愛を知らない哀しい人

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川口竜也さんのフロローを観ることが出来ました。

「スカーフを吸い込む勢いで嗅ぐ」とか、エスメラルダに吐かれた唾を舐めている」とかヘルファイアでの目力がすごい」とか、色々な噂を聞いていたのでもっと癖の強くて変態性の高いフロローなのかと思っていたけれど、意外と普通だった。規律を守る堅い大助祭

だからこそ、エスメラルダとの出会いをきっかけにだんだん狂っていく様子が恐ろしくも、そして何よりも哀しい。

 

今でも頭から離れないのは、フロローの死の瞬間。野中さんは空をつかむようにもがていたけれど、川口さんはカジモドに手を伸ばしじっと見すえていた。きっと最期のその瞬間まで。

そして投げ落とされる前に聞こえた川口フロローの嗚咽。何に対しての涙だったのか。愛した弟を守れなかった後悔か、弟が遺した子に殺される悲しみか。赤ん坊のカジモドを棄てようとした時にも涙したことを思い出したのか。

わたしはフロロー自身が「自分は間違っていた、カジモドを守ろうと誓ったのに何もわかっていなかったのだ」と気づいて涙したのだと思いたい。

最期の瞬間はジェアンと生活していた頃のクロードに戻って、愛とはなんであったか、家族とはなんであったか、気づいていてほしい。クロードにとって少しでも救いがあってほしい。川口さんのフロローを観てそんなことを思いました。

 

川口さんは他のキャストの方とは違う切り口でフロローという人物を深堀りして演じているのも面白い。

全体的には堅い雰囲気で落ち着いたフロローだと思うのですが、自分の行為を否定された時や何か正当化したい時に激昂する。怒りのスイッチが入っているときは相手に反論させる余地を与えない。激昂するポイントも「え、ここ?」と驚かされた。カジモドも本当に泣いているんじゃないかと思うくらい。

そして、良いのか悪いのかは置いておいて牢獄での独白シーンの叫びは、芝居小屋で一人芝居を観ているような感覚になった。その叫びを聞いてもはエスメラルダにとっては拒絶の一択でしかないけれど、観ている側へは「人間である」という事実を改めて突き付け、フロローの哀しさがより一層引き立つような気がした。

川口フロローはエスメラルダへの執着も顕著なので好き。ヘルファイヤ前の登場シーンでは右耳を手で覆っている。エスメラルダの影を振り払うようにナンバーに入るのが良いなあ。覚醒って感じ。

大聖堂ではじめて2人で会話する時に、とても自然に一瞬だけエスメラルダに触れようとするところが好き。鐘つき堂でのエスメラルダの会話の時ももうすでに目の様子がおかしかったし、他のフロローよりも分かりやすく(ちょっとオーバーに)エスメラルダの手に目をやり、ほんの一瞬触れる感じも良い。牢獄ではニヤニヤしながらやってくるしスカーフもすごい勢いで嗅ぐ。このフロローの狂気じみた行動を目のあたりにして、誰かがほんの少しだけ一瞬でも優しくあったら負の連鎖を断ち切れたのにって、原作を読んだ時のような苦しい気持ちになった。

 

川口フロローは、ただ気持ち悪いとか変態っぽいとかそういう言葉で片付けられない。フロローの孤独さとか哀しさを改めて気づかせてくれたし、そもそもフロローはジェアンの死やカジモドを育てる事、エスメラルダに惹かれることについてどう感じていたのだろうか考察したい気持ちにさせてくれた。

 

劇団四季所属でない客演の立場だからこそ、舞台に良いスパイスを与えてくれていると思う。レミゼの お稽古までの期間限定の出演だと思うので、もう1回くらい観たいなあ。

 

【2018/12/18】ソング&ダンス65 @全国公演(日本特殊陶業市民会館)

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芝さんも出ていないし、直前まで観に行くか迷っていたけれど(だいたいいつもギリギリまで行くかどうか迷ってる)大阪で観たときとずいぶんキャストも違うし、ということで行ってきました!


シンガーで大阪で観た時と変わっていたのは、、、
男性は、島村さん→一和さん、芝さん→飯田さん

女性は、岡本さん→三平さん、江畑さん→松本さん、久保さん→谷原さん

ほぼ違う!!(と同時に瀧山さんの連投ぶりにもびっくり)

 

大阪の時に抱いた感想と大きな違いはなくて、わたしのソンダン好きのピークは55だった。。

相変わらず「なぜメモリーは55の焼き直しなのか?」気になるし、アンデルセンとエビータのシーンは長く感じた。(エビータは再演が決まっていたのかも?と思うと、何曲も使われているのは納得かも。エビータのナンバーは大きなパワーを持っていると改めて感じたのも確かではある)ごちゃごちゃ思いつつも、贔屓の俳優さんが出ていない分、とても純粋にソンダンというエンタメを楽しむことが出来た。わあ楽しかった~と思った時って細かい感想があまり思い浮かばない気がする。 

 

飯田さんおそらく初めて拝見しました。正統派で深みのある歌声、カッコイイ。

やはり兄弟で声質が似ている気がする。まだお若いのかもしれないけれど、ファントムいつかやってほしい。兄弟でファントムとラウルやったらかなり熱い。

チェも良かったし、こっちはかなり現実的にキャスティングされることがあり得るかも?美女と野獣はせっかくなら「愛せぬならば」が聴きたかった。ソロでじっくり聴かせるナンバーがあっても良いのに。ちょっぴりもったいない。

 

一和さんは春のめざめとLMくらいでしか観たことがなかったけれど、どれも丁寧な歌い方が印象的。アラジンは結構良かったし、ラストの「The Vaults of Heaven」も周りを引っ張っていくような良い歌唱だった!

 

三平さんはダンスも歌もどっちも出来て素晴らしい。ジャスミンはちょっとキーが合っていないのかな?ベルは可愛かったと思う。河津さんとのバトンも良かった!キャストによってソロやペアと構成を変えて演技できる河津さんも本当にすごい。あの側転チェンジは袖で練習しているのかな?

 

谷原さんは演じたことのない役の曲が多かったと思うけれど、どれも神々しい澄み切った歌声、世界観を作るのが上手い。「リフレクション」が良かったな。あと意外にも?エビータ出来そうだと思った!

 

松本さん、おそらく初見。前回江畑さんで観た時にも思ったけれど、この枠がメインシンガーで作品の大黒柱的存在だと思う。圧倒的に歌い上げるナンバーが多く、印象に残りやすい。「自由を求めて」を聴くと、ウィキッド観たいなあって思う。「サークルオブライフ」もやはり良い曲。

 

全国公演を観てしみじみ思ったけれど、専用劇場でない地方でもセットなど演出効果含め、クオリティを保って上演してくれることって有り難いしよく考えると素晴らしいことだなと改めて感じた。ソンダン65はこれで見納めと思うとさびしいけれど、また5年後(なのかな?)観れると良いなあ。

 

【2018/12/11】ノートルダムの鐘@祝!日本初演2周年!!

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ノートルダムの鐘、日本初演2周年おめでとうございます!!

東京、京都、横浜とそれなりに追いかけて、名古屋でライフワークのように観劇して、日本初演2周年という日をこうして見届けることが出来て幸せです。特に挨拶やカテコがあったわけではないけれど、客席の熱さ(リハ見の日だったしね)、それに応えてくれるかのような熱い舞台にわたしのなかで感動の嵐でした。

 

はじめまして、相原エスメラルダ。

エスメラルダは一見前向きに強く生きているようだけれど、どこか自分の境遇や生き方に闇を抱えているとと思うのだけれど、相原さんは何となくただのおてんば娘ぽいというか。相原さんの舞台メイクしている姿って雪組の永久輝せあさんに似ているな~と思った。困り眉で笑い顔なタイプ。だから「いつか」のシーンでもちょっと希望がありそうな表情に見えてしまう気がする。

あと、歌の方じゃないからかもしれないけれど、もう少し感情が歌に乗ると良いかも。とかなんとか言いつつ、長身なので立ち姿は美しいし、タンバリンのリズムでの煽るようなダンスも魅力的。フロローとの大聖堂内の会話のシーンでフッと上を仰ぎ見る時の表情にハッとさせられたり。

4人のエスメラルダそれぞれに魅力があると思う。わたしは松山さんが1番好きかな。

 

観るたび好きになっていく高舛さん。

わたしは高舛さんが出ているとたいてい高舛さんばかり観てしまうのだけれど、アンサンブルの方はどなたも本当に忙しく動いているといつも思う。 

ベンチをあっちこっちへ運んだり、街灯を持って動き回ったり、フロローが着るローブ?を持って行ったり、自分の役に合わせて上着を着たり帽子を脱いだり。高舛さんに限らず、アンサンブルの方々がセット転換がない舞台で物を動かしたり、服装を客席に見えるように替えたりすることで、場面転換の重要な役割を担っているんだなと改めて思う。

高舛さんは、役によって声のトーンが違うところが細かな役作りを感じるので好き。ガーゴイルの時は若々しいのに聖アフロディジアスでは年寄り?ボイスだし、ジプシーの時は「縛り首だ!」とかしゃがれ声っぽかったので最初「これ高舛さんの声?」って驚いたくらい。あと、リッチマンの衣装の時の目線の送り方。目力とはまた違うのだけれど、なんとなく目で追ってしまう。

入団前に公開されたラジオを聴いていると、色々調べて深掘りして役を作り込む方だという印象なので、それを実際に舞台で観て感じられるところが好き。観れば観るほどハマっていく。ほかの作品でも観てみたいな~芝さんぶりにガッツリはまって贔屓なお方です。

 

平日ソワレ公演のキャンペーンで高舛さんのポストカードをいただいたのでうれしい観劇になりました!!しあわせ!!