Ich gehör nur mir!

好きな舞台を好きなだけ。わたしの観劇ライフはわたしだけのもの!

【2019/2/17】イヴ・サンローラン@荻田先生のつくる繊細で美しい世界

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海宝さんのイヴ観てきました!上原さんピエール、大山さんディオール

 

合う人合わない人さまざまのようですが、わたしは好き!荻田先生の世界観が元々好きなので。(もっとメインの登場人物の心理描写を深く知りたかったのはあるけれど。) 美しい世界でした。

 

海宝イヴがほんとに素晴らしかった。

わたしはイヴの第一声「やあ、ピエール」っていうたったこれだけのセリフを聞いて鳥肌止まらなかった。海宝イヴの全てに強烈に惹きつけられた。

 

宝塚っぽいと言われているのがよくわかる。冒頭、ピエール(ヒロイン?2番手?)が出てきて語り始める。そしてイヴ(トップ)が登場して物語が始まる。時間軸が一気に巻き戻る。ラストもヤンさん(シャネルとして?お母さんだっけ?)語りが入って、主役の2人が舞台上に。イヴとピエールが手をつないだ時には、このまま主題歌歌いながら銀橋渡り出すやつ!と思ったくらい笑

 

構成自体も時間軸が行ったり来たり、同じフレーズが何度も登場したり、それぞれの登場人物同士は会話しているというよりも独白しているような場面が多くて、???ってなることもあったけれど、ドキュメンタリー映画を見ているような感覚に近いかも。次々に場面が切り替わっていく。いろんな人たちの話がわざとバラバラに切り貼りされているような。でもきちんと一本につながっている。

映画を見たり、事前に色々と調べたりという予習しなかったのがかえって良かった気がする。

 

海宝さんのイヴは最初に書いた通り、第一声から惹きつけられた。歌もあり、踊りもあり、リフトもされ、ラブシーンもあり、見所たくさん。あっちこっちでピエールと仲良くおしゃべりしてる姿を見ているだけで微笑ましい気持ちになる。

才能という衣をまとい強がりながらも、見た目も中身も繊細で、壊れてしまいそう。守ってあげたくなる存在。なのにピエールから離れていこうとする、線が細いからどこかへ飛んで行ってしまいそう。

ピエールとの関係が少しずつ変わり始めた頃、ピエールからするりと抜けて話をそらす感じが、自分が振られたみたいで辛かった笑 

今回イヴを観て改めて、舞台出演を重ねる度にどんどん進化を遂げていく海宝さんから目が離せないなと思った。

レミゼもますます楽しみな気持ちになったし、今年の後半は12月の舞台は発表になっているけれど、それ以外もどんな作品に出てどんな姿をファンに見せてくれるのか気になる。

 

上原さんのピエール。数日だけの出演がもったいない!ご本人を情熱の赤のイメージだと思っているのですが、イヴとの出会いのシーンはまさに赤一色という感じ。ピエールはイヴのことが好きで好きでたまらないんだろうなあ。いつも笑顔で彼に尽くし、彼を愛し、彼のために生きているような人。裏切られてからもお互いに離れられない。ピエールはどんな気持ちだったのかな、考えるだけで辛い。イヴとピエールのデュエットが本当に素晴らしくて、この組み合わせで映像に残るならDVD欲しいなあと思っている。

 

あと忘れてはならない、特筆すべきはヤンさん!安寿ミラさんはさすが元トップ、立ち姿だけで存在感がものすごい。ダンサーなだけあって動きやポーズひとつひとつの魅せ方がとっても素敵。気づいたら目で追ってしまっていた。ヅカ時代は映像でしか知らなかったので、今回みれてよかった。

 

ディオールの大山さんもコミカルな役(であってるのかな)で良かったし、彼がピエールになったらまた雰囲気違うだろうな。包容力がかなりありそうな感じがするので。川原さんも観てみたかった。(プログラム見る限りはとても美しくてかっこよくて!)

 

観終わったすぐはそうでもなかったのに、後から色々な感情が溢れてきたり、切なくなったら、考えたりしてしまうスルメミュージカルでした。ほんとは何回も観て、イヴも東山さんでも観てそれぞれ比べてみたらもっと楽しめるんだろうなあ。しばらくは余韻に浸りたい気分です。