Ich gehör nur mir!

好きな舞台を好きなだけ。わたしの観劇ライフはわたしだけのもの!

【2018/10/8】ノートルダムの鐘@金本泰潤さんのカジモドを観て

名古屋で上演中のノートルダムの鐘。

開幕してからボチボチ観ていますが、毎回長々とレポしているとキリがないので。

 

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今回は金本さんのカジモドを初めて観た感想中心。

これで海宝さん以外のカジモドは観たことになりますが、個人的に金本さんとっても好み!!よく言われているように、仕草が可愛らしいし、フロローにとにかく従順。とても魅力的だなと思います。

 

後は何よりもカジモドの感情の変化がわかりやすく伝わってくるところが良いなーと。

フロローに従順であればあるほど、カジモドの頭の中はフロローしかいないとっても狭い世界。

フロローの服の裾に一所懸命キスする仕草も一見可愛いとしか感じないけれど、よく考えてみればカジモドはフロローがいなくなってはきっと生きていけない。フロローに嫌われたり捨てられたら狭い世界で一人ぼっちになってしまう、その恐怖の裏返しなのかなと。自分の頭を叩く仕草もそこに繋がってるのかなと。(きっとフロローもカジモドは自分なしでは生きていけないと思っていただろうし、そうあってほしいと思ってたのかも。なんか束縛の強い女子っぽいけど。)

 

そんなカジモドがエスメラルダとの出会いで世界が少しずつ広がっていく。

「世界の頂上で」がこんなに切なく感じたのは初めてかも。カジモドが純粋に楽しんでいるから、ラストを思うと哀しい。

金本さんのカジモドだと、このまま何も起こらないまま2人だけで暮らしていけたら良かったのにねって言いたくなる。

わたしは基本フロローが好きで、フロローがエスメラルダに出会ってこれまで感じなかった色んな欲に気づいて、抑えきれないのと、本人にもうまく説明のできない感情の中でもがいているのがただただ哀れ。そんなフロローのような一面って誰しもあるよねというところに共感を覚えるのですが。

カジモドもある意味平和な狭い世界から飛び出してみたら、残酷な世界と残酷な人びとと対峙して辛いことだらけだけれど、最後は自分がすべきこと、やりたいと思ったことを貫いて行動する。それはフロローと同じく、エスメラルダに出会ったからこそ。

大切な人を失う結果は悲しいけれど、でもカジモドは大きく成長出来たから、ラストの金本さんの清々しい表情を見て、救いは少しだけれどあったのかもしれないと思えた。フロローに感じる共感とは違うんだけれど。なんだろうか。

フィーバスはかっこよすぎる。彼もエスメラルダに出会い、大事な仕事を捨ててまで自分がどうしたいか、何をすべきかということを考えて行動する。かっこいいんだけれど、かっこよすぎて共感出来ない笑 でも、物語のその後を想像してみたときにいちばん虚無感に苛まれるのはフィーバスだろうな。1幕終わりのフィーバスがエスメラルダの言葉を借りて言う、誰かが助けてあげなきゃみたいなセリフが好き。そして清水さんがセリフひとつひとつを噛みしめるように言うのが好き。

 

まあ、そんなわけでカジモドへの共感を覚える観劇となりました。

 

歌唱力で言えば、飯田さんが圧倒的というのがわたしの認識ですが、金本さんも聴かせるところは聴かせてくるのと、石になろう以降のテンションの高さというか、熱を帯びた感じが好き。

金本さん×芝さんの組み合わせで観たいなー。名古屋で久しぶりに観た野中さんのフロローも大ヒットではあるのですが。

 

今回は結構アンサンブルも見るようにしていたのですが、誰とかではなくて本筋を見忘れるくらいみんなせわしくなく動いているので面白い。

 

この作品は色んなキャストで観たり色んな席に座って色んなところで観たりして、発見するのも良いし。体調とか気分とか悩みがあるかとか、その時その時の自分を取り巻く環境によって捉え方が異なって、どんな形であれ胸に響くのが良いなとしみじみ思った。