Ich gehör nur mir!

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【2019/6/12S・6/16M・6/18S・7/2S】ジーザス・クライスト=スーパースター[エルサレム・バージョン]@これはきっとジーザスとユダの愛の物語

大好き、JCS。

JCSは最初ジャポから入ったせいか長く苦手な演目だったのですが、ある時スッと腑に落ちるというか、この作品の面白さに気付けてからはお気に入り。

 

今回は公演期間が短くてほぼシングルキャストですが、毎日の公演での疲れも微塵も感じないみなさんの熱量も相まってどの回も本当に素晴らしかった!

 

神永さんのいつもビシッと決めてくるシャウトやロングトーン、なんであれほどまでに完璧なのでしょうか。ゲツセマネでは毎回こちらも息が出来なくなる。悩める青年ジーザスの苦しみが痛いほど伝わってくるし、死を覚悟してからの表情の変化、「無」の演技、観れば観るほど奥深くて面白いなあと思う。

佐久間さんのユダ。今回が初見です。神永さんとの組み合わせがバランス良いなあと思う。ユダもただの裏切り者ではなくて、ジーザスへの愛ゆえの葛藤や苦しみが伝わってくる。JCSってジーザスとユダの愛の物語でもあると思う。愛ゆえに、ジーザスを苦しみから救いたくて、ユダは自分の手を汚して、カヤパたちに引き渡した。もしかしたら、単純にジーザスの人気を疎ましく思ったこともあったのかもしれない。けれど、裏切りの後に残ったのは後悔だけ。でも、後悔の中にも、これは自分にしか出来なかったこと、自分の愛の深さゆえに出来たこと、そんな叫びを感じる。

ユダの自殺の前の、「あなたはなぜわたしを選ばれた」ってすごくつらい台詞。神がジーザスに十字架という最期を与えたように、ユダには裏切りの果ての自殺という最後を与えた。彼らは仲違いしたようでやはり繋がっているのだろうなあ。

スーパースターではうって変わって色気すごくてドキドキしてしまう。キャッツを経てダンスもより一層素敵になりましたね。

お気に入りは山田さんのピラト。聖書を読むと、十字架にかけたのは自分のせいじゃないよ~って責任逃れしていた淡々とした(私のイメージ)印象なのですが、舞台版はピラトなりの苦悩が伝わってくるので好き。鞭打ちのシーンからの「死ね」の絶叫が本当に絶品です。本城さんのシモンも良かった~!良く伸びる声!10年くらい前のジャポverでも本城さんで観てます。いつまでも衰えないってすごい(語彙力)

 

JCSの魅力は群衆にもあると思うのですが、流されやすい集団心理は現代にも通ずる部分があって、舞台上だけの出来事とは思えず胸に突き刺さる。ジーザスをたたえていたのに、打って変わって十字架にかけろと叫ぶ。群衆が渦を描くように、ジーザスを取り囲むシーンがあるけれど、その渦は混沌とした闇のようにも思えたり(オーバーすぎかな)する。結構アンサンブルさんが認識できたので、誰がどこにいるのかも探して楽しんでみたり。個人的に渡久山さんが背が高くて目立つ上にソロも良い声だし、鞭打ちのシーンも素敵な肉体美で、気付けば目で追う事が多かった。

後は、司祭の真田さんは普段は怖い顔して歌っているのに、群衆に紛れている時は市場のシーンもニコニコしていてかわいかった。ウミヘビちゃんの時も好きだったけれど、司祭でより一層好きになりました。

 

公演期間が短いのがもったいないくらいに素晴らしい舞台でした。またの再演に期待。その時はジャポverと一緒にやってほしいなあ。